#研究レポート 東北をおもしろくする「酒」(後編)

2020.04.07

ロッケン(東北6県研究所)は、去る2019年11月27日に初めての研究発表会となる「お見立て会2019」をせんだいメディアテークにて開催いたしました。今回のお見立て会では「別解を、東北からうみだそう」をテーマに、東北をおもしろくする価値観についての提言や、研究パートナーである宮城大の学生たちと「お酒」のあたらしい楽しみ方をプレゼンテーションいたしました。前回に引き続き、本記事では、その際のプレゼンテーション内容を一部抜粋し、私たちの思いやアプローチを紹介します。

酒が東北を6つに分けた…?(続)

さて前回は青森県の見立てとそのアプローチをざっくりとご紹介させていただきました。今回は残り5県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県、それぞれロッケン的見立てをご紹介いたします!前回に引き続き、少しでもクスッとでもしていただけたら、成功です。(“って見方もできるよね”と語尾につけるとよりおもしろくお読みいただけます。)

 

帰属と開放の民、不器用な番長「秋田県」

秋田の方って、「六郷の竹うち」にみるような他を寄せ付けない攻撃的な部分があって、コミュニケーション上もどこか人見知りなところがある人が多い印象があるけれど、一度仲良くなるとそれからはずっととてもよくしてくれる印象があるのです。親分のような、父親のような、そんな県民性の見立てです。

 

帰属的な休息の民、東北のお母ちゃん「山形県」

圧倒的にいやしな存在、山形県。俳優のあき竹城さんや渡辺えりさんにみる圧倒的「おかあちゃん」感。これが山形県を魅力的にみせているのではないか、という見立てです。

 

社交的な内省の民、愛すべき自己中「岩手県」

歴代総理大臣を5名も輩出する日本屈指の県、岩手県。ほかにも、学生時代マンダラートで目標管理をしていたというプロ野球選手である大谷翔平さんや雨にも負けずで有名な詩人・宮沢賢治など、何かに没頭し、熱中し、自分を信じてとことん突き進む、そんなある種盲目的なイノベーター気質を感じる、そんな県民性という見立てです。

 

開放的な社交の民、努力の天才「宮城県」

ピーチリキュールとウーロン茶でつくるカクテル「ピーチウーロン」に何気なく「レゲエパンチ」という名前をつけ、自分たちが生み出したプロダクト・文化のように愛着を持って接する。宮城県の社交的・受容的な性質だけれど、決して自らの魂は売らず、他者をうまく取り込み、自らのアイデンティティにしてしまう様。ここに宮城県らしさを強く感じる、というのがロッケンの見立てです。様々な文化が合流して、形づくられていく都市機能にもその性格をみることができると思います。

 

内省と元気の民、守りのチャレンジャー「福島県」

東北の中では、ダントツの一部上場企業11社という功績。そして震災後、行政や民間関わらず日本全体を巻き込み世の中を動かしていっている事実。ここに福島県らしさを強く感じています。東北と関東に挟まれる立地が、どちらにも傾斜しない独自のアイデンティティと文化を守り抜くための攻撃的な側面と守備的な側面の両面を福島県に与えたのではないか、という見立てです。福島県民のみなさんはそれぞれに違う生き方をしながらもどこかで「福島県民のために」という共通ミッションをもって生きている。そんな風に思うのです。

いかがでしょうか?少しでもおもしろがってみていただけたらロッケンはうれしいです。酒が、東北ダイバーシティをつくった。そして、それはこれまでそしてこれからの東北らしさをつくり、明るい未来を推し進める。そう考えたら、いつものお酒がもっとおいしく感じるかもしれませんよね。今晩から、ぜひもっとおもしろがってお酒を飲んでみてください。今回はここまで。そんなおもしろそうな各県の新しいお酒の飲み方のアイデアを#LABORATORYでいくつか紹介しています。宮城大学高山ゼミの学生たちと考えたアイデアです。ご興味あればご覧ください!

 


〇 ロッケンでは、「ただしさよりも、おもしろさ。」というスタンスに基づき、「東北をおもしろくする。」ための研究活動を、時に大学とも連携しながら行っております。共同研究や講演依頼など、ご興味のある個人・企業の方がいらっしゃいましたら、以下よりお問い合わせください。

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writer:栗原渉