#研究レポート 東北をおもしろくする「酒」(前編)

2020.04.07

ロッケン(東北6県研究所)は、去る2019年11月27日に初めての研究発表会となる「お見立て会2019」をせんだいメディアテークにて開催いたしました。今回のお見立て会では「別解を、東北からうみだそう」をテーマに、東北をおもしろくする価値観についての提言や、研究パートナーである宮城大の学生たちと「お酒」のあたらしい楽しみ方をプレゼンテーションいたしました。前回に引き続き、本記事では、その際のプレゼンテーション内容を一部抜粋し、私たちの思いやアプローチを紹介します。

東北と酒は、生命レベルでリンクする?

なぜ今回「酒」をテーマとしたのか?酒を切り離しては、東北は語れない。それは、経済や文化の側面もさることながら、生命という部分で、強いつながりを感じたからです。元筑波大学教授・原田勝二氏による「都道府県別・酒豪型遺伝子の出現率」の研究結果では、東北6県が全て上位ランクインしているようでした。われわれ東北人のDNAには酒が深く刻み込まれているといえそうです。そうであるならば、東北の人々のいまある営みは酒が少なからず影響している。もっといえばこれからの東北の未来も、酒に焦点をあてることで、何かが見えてくるかもしれない。そう思いました。

ロッケンが考える、酒がつくる6つの特性

では、酒は東北の人々にどのような影響を与えたのか?そしてどのような影響を与えていくのか?考察を進めるにあたって、まずは酒の効用について、洗い出しを試みました。(学術的な裏付けはなく、あくまでロッケンの考察ですのであしからず!)

ここから酒がつくる6つの特性を分けてみました。

これをレーダーチャートのように使い、各県を見立ててみたわけです。

秋田県はどうなる?宮城県は?似たようなチャートになる県もあるの?などなど…象徴的コンテンツをリストアップしてみたり、有識者へのインタビューを行ってみたり、さまざまなプロセスを行ったり来たりしながら、あーでもないこーでもないと、各県のチャートをつくっていくと、なんとも、おもしろいことがわかってきました。

酒が東北を6つに分けた…?

つまり前回レポートでご紹介した「東北ダイバーシティ」を酒がつくったのではないか、という見立てです。ということで、各県をおもしろがって見立てた、結果をご紹介します。ここから先、少しでもクスッとでもしていただけたら、成功です。(“って見方もできるよね”と語尾につけるとよりおもしろくお読みいただけます。)記事のボリューム的にあーでもないこーでもないな細かなプロセスは説明できませんが、少しだけご紹介です。

突然ですが、まずはこのレーダーチャートが何県のものかわかりますか?わかってしまった方がいたら、ぜひロッケンの研究をいっしょにやってください。

レーダーチャートをつくるにあたって、洗い出したこの県の象徴的なコンテンツです。もうお分かりですね。

いかがでしょう?ロッケン的には、青森の方々って、とてもフロンティア精神があり、バイタリティ溢れていて、人々を惹きつける不思議な魅力を持ってる感じがとてもあるなと思っているのです。本州最北端の県。これまでは“端”として認識されてきましたが、あえて“真ん中”に。そんな東北が、いや日本があっても、おもしろいと思うのです。ぜひ周りの青森県出身の方を思い浮かべてみてください。「いや違うよ」とか、「そうそう、その通り」とか、いろんなご意見があるかと思います。しかし、冷静になって一歩引いてみてください。大事なのは【おもしろがること】です。

ロッケンのスタンスである「ただしさよりも、おもしろさ。」は、なんだか停滞感のあるこの世の中で、おもしろがることで正解だけではない新たな可能性や希望を見出し明るい未来を推し進める、重要な武器と考えています。みなさんもぜひおもしろがって、日常に目を向けてみてください。何でもない景色が、意味をもっていつもと違う何かに見えてくるはずです。

というところで、今回はここまで。次回レポートでは、残り5県の見立てを紹介させていただきます。こうご期待!

 


〇 ロッケンでは、「ただしさよりも、おもしろさ。」というスタンスに基づき、「東北をおもしろくする。」ための研究活動を、時に大学とも連携しながら行っております。共同研究や講演依頼など、ご興味のある個人・企業の方がいらっしゃいましたら、以下よりお問い合わせください。

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writer:栗原渉