【ストーリー】かかりつけ医feat.娘

2020.09.24

わたしは、ここ数年、病院に行っていない。
そう言うと身体の調子がいいように聞こえるかもしれないが、
病院には行っていないが医師には定期的に会っている、
というのが正しい表現だ。

かつては、南三陸から仙台市の大学病院まで
クルマで2時間かけて診察を受けに行っていた。
しかし、オンラインでの受診が当たり前のようになり、
自宅や職場、時には船の上(私はワカメ漁をしている)が病院になった。
ウェアラブルウォッチが計測した数値をもとに、
医師が健康状態を診断してくれる。
この数値は娘のスマホにも共有されていて、
少し数値が悪いと、心配のメッセージがとんでくる。
発行されたPDFの処方箋を近所の薬局に持っていけば薬も出してもらえる。
超ワンストップメディカルシステム。

病院がプレイスレスになり、自由になったはずなのに、
仙台で見つけた大好きなラーメン屋には相変わらず通い続けている。

Future TOHOKUとは

新型コロナウイルスの感染拡大を経験した私たちが、10年後の東北にひろげていきたい日常のしあわせを、より前向きに描き、つくる、シンク&アクトプロジェクトです。
「距離観【きょりかん】~再計測する生活者~」というテーマのもと、今後実現・定着するかもしれない新しい営みを、
7つのテーマ(食生活 / 働き方 / 住居 / 趣味・学習 / 車・トラフィック / 観光・祭り / 健康生活)に分類し、希望的楽観により描きます。
日本や世界があこがれる「東北らしい、あったらいいな」な生活シーンの数々。皆さんの再計測や新しい営みのきっかけになるレポートや物語を定期的に掲載してまいります。

Future TOHOKU

writer:武田陽介