# ロッケントーク : vol.0 「東北って、おもしろそう」を、 語って、見つける。

2019.07.31

ロッケントークとは…
ロッケンのメンバーが東北をウォッチして気づいたことや、地域・社会課題について語り合い、未来に向けてのアイデアや大切にしたい視点を定期発信するとても真面目で、ちょっとおもしろい?コーナー。時に、東北で活躍するプロフェッショナルや有識者をゲストにお招きしながら課題解決や新規ビジネスにつながる糸口を見つけていきます。

今回は「vol.0」として、自分たちロッケンについて、
発足の意味や今後の展開についてラボメンの4人でトークしました。

〈今回のトークメンバー〉
加勇田(カユタ)、栗原(クリハラ)、武田(ススム)、武田(ヨースケ

「おもしろがる」が、活動の原点

4人:
みなさん、はじめまして。東北6県研究所、略してロッケンです。
クリハラ:
ついに始まりましたね、ロッケントーク!
カユタ:
そうだね~。5月の発足から約3か月…。少し時間が空いてしまったので、改めて自分たちが何者であるか、簡単に説明するところからスタートしていこうと思うんだけど、いいよね?
3人:
OKです!
カユタ:
僕らロッケンは、東北についての調査・研究から導き出した新たな価値や、気づきをプロダクトやコンテンツの開発に活かして発信していくことで、世の中に「東北って、おもしろそう」をひろげていくシンク&アクトタンク。ってことで、合ってるよね…?
クリハラ:
合ってます。大丈夫です(笑)
“シンク”にとどまらず、“アクト(アウトプット)”をゴールに据えて活動しているところが、僕らのこだわりでもありますよね。
ススム:
そもそも、課題山積みで、人口も減っていて、先行き不透明な東北の未来を少しでも明るくしたい、東北の街や人がもっと元気になる活動を生み出したいっていうのが出発点だったよね。じゃあ、どうすれば東北を元気にすることができるのか?を突き詰めた結果、東北に暮らす人も、そうでない人も、東北を「おもしろそう」っていう風に思ってもらうことで、それを実現しようって決めたんだよね。
ヨースケ:
「おもしろそう」っていう言葉には、単に愉快だってことだけではなく、興味、好意、期待などポジティブなニュアンスが含まれるのがいいですよね。
クリハラ:
課題先進とか辺境とか揶揄されがちで、メインストリームから外れた印象のある東北だけれど、世の中のスタンダードはむしろ辺境の地から生まれていて、東北がそうなれる可能性は大いにある。だから、まず東北にいる自分たちがいまの状況を「おもしろがる」ことで、ネガティブなことを、ポジティブなものに転換してみよーぜって決めた時は、とてもワクワクしました。
カユタ:
そう!「おもしろそう」っていうコンセプトはとても大事。その考えのもと、いま自分たちが何をしているかというと、大きく2つのアクションを展開中で、このロッケントークがそのひとつ。ラボメンのみんなや、おもしろそうと思う人や、専門家、有識者などをゲストに迎えて、地域の課題やトピックスなどをテーマに語り合い、それをWEBサイトで公開していく情報発信のアクション。
そして、もうひとつが、今年の秋に開催を予定している「お見立て会」(研究発表)に向けて宮城大学・高山ゼミの学生たちと展開しているロッケンワーク(研究・開発のアクション)。そのワークでは学生のみんなと東北各県のユニークなトピックスや文化、ライフスタイル、価値観などを、デスクリサーチ中心に見つけ出して、そこに見え隠れする“県民性”や“東北らしさ”を抽出する作業をしているんだけど、東北に暮らす自分たちも知らなかったことや、びっくりするようなファクトがけっこうあるよね。
クリハラ:
そうですよね。GDPの数字で比較すると、「国」になれるぐらいの経済規模があるとか、東北とフィンランドのライフスタイルが似てるとか。これから進めていくプロトタイピングのヒントになりそうなものがチラホラ見つかってる気がします。
カユタ:
まだ暗中模索な感じではあるけど、「おもしろがる」っていうマインドを大切に、「見つける」→「見立てる」→「生み出す」→「ひろげる」のプロセスを丁寧に進めて、「東北って、おもしろそう」っていうイメージを世の中にひろげていけたらいいよね。

東北のど真ん中を見立てる

ススム:
そう言えば、ロッケンワークの集大成を発表する「お見立て会」のテーマを、「東北のお酒」にしたんだよね。
カユタ:
そうそう。全国的にも酒どころとして知られる東北。日本酒の品質は間違いなく日本、というか世界トップレベルだし、昔から神とつながるためのツールとして神事に活用してきた経緯もある。日本で3番目に古いともいわれる酒蔵(秋田・飛良泉本舗)があるのも東北とお酒の関係の深さを物語っているよね。それに、お酒は、東北の食文化や産業の発展にも寄与してきた。東北の暮らしになくてはならないお酒を僕らの最初の研究対象にしたのは、なんとなく使命的というか、宿命的な気がしてる。
ヨースケ:
東北を東北たらしめてますもんね、特に日本酒は。自分の出身である福島の日本酒は、全国新酒鑑評会で金賞受賞数7年連続日本一に輝いていて、東北の誇りだなぁと感じます。
カユタ:
ただ、いまの時代、若者のお酒離れが叫ばれていたり、震災以降宮城県で飲酒量が5年連続で全国平均を上回っていて、震災によるストレスや飲酒による健康障害が危惧されているのは東北とお酒の関係において気になる点でもあるかな…。

宮城県内の成人1人あたりの酒類消費量(出典:国税庁「酒税」より宮城県障害福祉課作成グラフ)

クリハラ:
一方で、ワイナリーが東北各県に続々と誕生したり、ウィスキーの醸造所が山形にできたり、新しい動きも盛んですよね。個人的には、レゲエパンチが仙台発祥だったってことが一番の驚きで、やっぱ東北にはお酒を育む土壌とかポテンシャルがあるんだなぁとも感じてます。
ススム:
だよね~。一人あたりの飲酒量で青森、秋田、岩手がトップ10に入っているし(国税庁平成29年度調査より)、お酒と東北の関係値って、そこまで下がってないというか、むしろ強まっている気もするなぁ。いまだに、岩手出身ってだけで、「お酒強いんでしょ?」って言われたりすることあるし。
カユタ:
我がふるさと秋田では、飲み会で出席者が揃うのを待ちきれず、「練習しちゃおうぜ」と、乾杯前に飲んでしまうという、いかにも酒好きを物語る慣習があったりするけどね(笑)
クリハラ:
流石、酒豪の国・秋田ですね!
いま話をしただけでも、お酒は東北と切っても切り離すことのできないものなんだなぁって改めて感じますし、東北の「これまで」を形作ってきたひとつの要素だったんだなぁと思うわけですが、ならば、そのお酒が東北の「これから」とどんな風に歩んでいくのか、すごく気になるところですよね。

ヨースケ:
じゃあ、まず、「これから」を担う次世代に、お酒との関係性を聞いてみるのがいいんじゃないかってことで、「若者のお酒離れ」が東北において当てはまるのか?一緒にワークを進めている宮城大の学生たちにヒアリングすることにしたんですよね!
カユタ:
そう。今の若い人たちがお酒をどんなものとして捉えていて、飲むタイミングやモチベーションは昔とどう変わっているのかを、ざっくばらんに聞いてみようかと。で、そのヒアリングの結果を次のロッケントークでお知らせするのがいいかなと思ったんだよね。
ススム:
もしかしたら、お酒を飲む量や回数が減っていても、お酒の価値や嗜好性は高まっている可能性もあるし、若者がお酒から離れたんじゃなくて、お酒と若者の関係性が変わっただけなのかもしれない。そこらへんのことが次のトークで見えてくるといいかな。
いやしかし、お酒についてトークしてるからか、のど乾いてきたな(笑)
カユタ:
じゃあ、この後、行っちゃう?やっぱり、お酒の素晴らしさを身をもって感じないといけないからなぁ。仕方ないよなぁ。これも研究の一環だからなぁ。
ヨースケ:
百聞は一飲にしかずって言いますもんね!
クリハラ:
そんなことわざ無いし…(コイツら、ただ飲みたいだけじゃねーか!)
ヨースケ:
えーと、皆さま、トークもたけなわではございますが、ロッケンについて、そして次回のロッケントークの内容もみなさまにお伝えできたということで、ここで中締めとさせていただきます(笑)
では、所長の加勇田より締めのご挨拶を頂戴したいと思います。
カユタ:
あたらしいスタンダードを東北からつくるべく、メンバー一同頑張りますので、引き続き、皆さまのご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
4人:
よろしくお願いします!

次回のロッケントーク「vol.1」では、
若者に直撃インタビュー!お酒離れ、ホントに進んでる?
と題して、お酒離れの実態について宮城大の学生と
トークを繰り広げていきたいと思います。
お楽しみに!

writer:武田陽介