「TOKYO MIDTOWN AWARD 2023」デザインコンペ・優秀賞を獲得

2023.12.22

「TOKYO MIDTOWN AWARD 2023」デザインコンペ・優秀賞を獲得

今回のレポートは“受賞記念号”。「TOKYO MIDTOWN AWARD 2023」のデザインコンペ部門で優秀賞に輝いた、ロッケンメンバーの栗原渉とブランドトランスフォーメーション局の高橋恵佑にインタビューを行いました。

【TOKYO MIDTOWN AWARD】

東京ミッドタウンが主催する、才能あるデザイナーやアーティストとの出会い、応援、コラボレーションを目指して、デザインとアートの2部門で開催するコンペティション。今回のデザインコンペ応募のテーマは「つながり」でした。

https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/

―受賞おめでとうございます!まず、TOKYO MIDTOWN AWARDへの応募のきっかけを教えてもらえませんか?

高橋:

普段の業務だと、予算や事情を鑑みて企画しなければいけませんが、アイデア勝負の自由度の高いアウトプットをしてみたいという気持ちがありました。審査員も豪華で、自分のアイデアがその人の目に触れることも、モチベーションになりましたね。TOKYO MIDTOWN AWARDには栗原と数年前にも応募したことがあるんですが、落選してしまい…。そのリベンジをしたいという 思いもありました。

栗原:

僕は、昨年1年間武蔵野美術大学の大学院でデザインの手法や考え方を学んだこともあり、“力試し”という意味もありました。意匠というより、コンセプトや体験設計を重視するところや、社会実装するところまでサポートしてくれるところも、このアワードの好きな点です。それは、クライアントワークではなかなかできない体験だし、一からサービスやプロダクトをつくってみたくてチャレンジしました。

― 受賞した「みんなの味噌汁.com」は、どんなアイデアですか?

栗原:

このアイデアは、カスタムメイドでフリーズドライの味噌汁を購入できるWEBサービスです。WEB診断ツールで、味噌汁の具材(わかめ、豆腐、ねぎなど)や味(赤味噌、白味噌など)を選んでカスタマイズすると自分の好きな味噌汁をつくることができ、それがフリーズドライの商品として定期便で届く仕組みです。

― アイデアを思いついたきっかけは?

栗原:

コロナで熱を出した時、昔、父親がつくってくれた「わかめにんにく生姜玉ねぎたまごとじ味噌汁」が無性に食べたくなったんです。でも、去年、父親が亡くなりレシピは誰も知らない状況で…。あの味噌汁はもう食べられないことに気づいて、父親に作り方を聞いておけばよかったなぁ、もっと話をしておけばなぁと後悔したんです。

この経験から、味噌汁を真ん中にしてそのレシピを聞いたり教えたりすることで、家族の「つながり」をつくれるんじゃないかと考えたのがアイデアの出発点でした。それに、家庭の中に埋まってる味噌汁は何千、何万とあり、レシピとして情報化することで日本独自の知財を貯めるデータベースにもなるし、それをプラットフォームとして利用すれば、日本人の「つながり」をつくることもできると思いました。

栗原渉(サービスデザイナー)

― まわりの人の反応はどうでしたか?

栗原:

パートナー企業の方から、「若い人が和食を食べなくなっているけれど、デジタルやクリエイティブを掛け合わせることで、味噌汁を食べてみようと考えてくれそう」「おふくろの味は家や人によって違けれど、味噌汁は必ず各家で飲むのでビジネスにしやすい」というコメントをもらいました。

― アイデアを紡ぐ中で、意識したことや気づきはありましたか?

高橋:

味噌汁って、家によっても違うし、地域性もある。デザインといっても、ロゴマークをデザインするだけではダメで、いかに体験をつくれるかを意識しました。なので、パッケージも、特別感を出した方がいいのかどうか?化粧箱に入れた方がいいか?と考えましたが、普段の生活に馴染みつつもほんのちょっとの特別感を感じられるデザインを目指しました。

栗原:

サービスのネーミングはすごく丁寧に検討しました。審査員の方から「みんなの味噌汁.com」とういう名前について、「俺の味噌汁」ではなく、なぜ「みんなの味噌汁」なのか?個に向けたパーソナライズのサービスなのに、マス向けのサービスのように感じる、と。確かに、サービス自体は個人的な“N=1”つながりをつくるものではあるんですが、その“N=1”のつながりを、“N=多数”のつながりにひろげていきたいと考えていたところもあり「みんなの味噌汁」のまま提案しました。

高橋恵佑(デザイナー)

― アイデアを今後、どうしていくか考えはありますか?

栗原:

もともとアイデアは社会実装する前提で考えていたので、実際のサービスとしてローンチしたいです。ただ、どのようなビジネスモデルを構築すればいいか検討事項であり課題です。面白がってくれる予感はあるのですが、本当にやってくれるのか、継続してもらえるのか、コストの精査も含め、体験をブラッシュアップする必要がありそうです。

また、家庭の味噌汁は日本の食文化のひとつと言ってもいいかと思います。しかし、目に見える文化遺産とは違い、家庭ごとにブラックボックス化している。それは、保存しなければなくなってしまうので、それを「知財」として集約することができれば、いままで見たことのない景色がひろがっていくような気がしています。

高橋:

そうですね。東北の味噌汁を集めるだけでも面白そうだなと思っています。東北は、いも煮論争があるぐらい、汁にはうるさいエリアだと思うので、いろいろな味噌汁が集まりそう。醤油や味噌など、地元の調味料メーカーとコラボした商品開発ができたりすれば、もっと楽しいサービスにできるかもしれません。

最終審査(プレゼンテーション)の様子