【ストーリー】ワンルームオフィス

2020.07.27

最近、わが社は、オフィスを模様替えした。
こまごまとした役員室、
打ち合わせルームを取っ払い、
間仕切り無しのだだっ広い空間になった。

テレワークが当たり前になった今、
会社は何のためにあるのか、
働く場所はどうあるべきか、社員で検討し、
会社に提案し、採用となった。

社長から新人社員の私まで、
部署ごとの”島”や個人デスクはない。
見晴らしのいい窓際から壁まで
カウンターのような机が
オフィス内をぐるっと周回している。
出勤した際はその場所を
各自で自由に選んで使用する。
カウンタ机に囲まれた真ん中は
カフェスペースになっており、
4人掛けのテーブルが6つほど用意され、
今はそれぞれ間近に迫ったプレゼンテーションの準備をしている。

これまでオフィスには
キーボードの音がむなしく響いていたが
いまは社員の声や笑い声が響いて、
少しうるさいくらいだ。
仕切りを排除したら、
とたんに会話量が増えたのだ。
この前、社長と隣同士になった。
恐る恐る会話したら、
最近釣りを始めたとのこと。
私も釣りが趣味で、
今度一緒に行くことに。

もはやオフィスとは、
仲間とつながり、アイデアを語らう場。
これから進めば「ハコモノ」としてのオフィスは
必要ではなく、
みんなが集える機会を提供することが、
会社の役割になるのかも知れない。

Future TOHOKUとは

新型コロナウイルスの感染拡大を経験した私たちが、10年後の東北にひろげていきたい日常のしあわせを、より前向きに描き、つくる、シンク&アクトプロジェクトです。
「距離観【きょりかん】~再計測する生活者~」というテーマのもと、今後実現・定着するかもしれない新しい営みを、
7つのテーマ(食生活 / 働き方 / 住居 / 趣味・学習 / 車・トラフィック / 観光・祭り / 健康生活)に分類し、希望的楽観により描きます。
日本や世界があこがれる「東北らしい、あったらいいな」な生活シーンの数々。皆さんの再計測や新しい営みのきっかけになるレポートや物語を定期的に掲載してまいります。

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