おもロッケン_vol.2 お正月に何食べた?from東北

2023.01.30

ロッケンのメンバーがおもしろいと感じた東北のモノ・ひと・場所などをリレー形式でお伝えする「おもロッケン」。第2回は座談会形式で年末年始に食べたものについてメンバー同士で共有してみました。 

参加者:玉田(青森)、佐藤(秋田)、山澤(東京)、菅原(岩手)、大内・武田(福島) ※( )は出身地

インタビュワーは東北のことをいろいろ知りたいロッケンの新キャラクター・取材犬の“ミッチー”です。 

お正月の食卓から考える“郷土料理の可能性

ミッチー: 

新年が明けて1か月が過ぎたけれど、今回の「おもロッケン」では、ロッケンのメンバーが年末年始に何を食べたのか聞いてみたわん。 

まず、大内氏から教えてほしいわん。  

大内: 

私の出身は福島の二本松というところなんですが、福島のお正月と言えば、なんといっても「いかにんじん」。甘だれに細切りにしたするめとにんじんを漬け込んだシンプルな料理です。これがないと福島のお正月は始まりません!ご飯のおともにもなるし、酒の肴にもなるし。家庭ごとに味付けや具材の大きさが微妙に違ったり。ですよね?武田さん!

大内家の正月メニュー(一番左がいかにんじん)

武田:

そうだね~。私は二本松のお隣、大玉村の出身ですが、いかにんじんは当然出てきました!ちなみに、私の母は秋田出身なので、いぶりがっこも出てきて、秋田の雰囲気も楽しみましたよ。本場秋田出身の佐藤さんはいかがでした?

武田家の正月メニュー

佐藤:

いぶりがっこはもちろんですが、「豆腐カステラ」(秋田南部の郷土料理)や「ぼだっこ」と呼ばれる超塩辛い鮭の切り身を食べました。あのしょっぱさを感じると、地元にいるなぁと思えるんですよね~。あと、私の大好物のコロッケも大量に出てきて家族のやさしさも感じました。ちなみに佐藤家では、年末年始やゴールデンウイークなど家族や友人が集うタイミングで、必ず餃子パーティをしていて、今回の帰省の際もたくさん包んでたくさん焼いて、みんなで食べています。

佐藤家の正月メニュー(右の写真は餃子のタネ)

武田:

コロッケと餃子!テンション上がる最高のメニューですね!

 

ミッチー:

菅原氏は、何を食べていたわん?

 

菅原:

私は、岩手の花巻が出身なんですが、ザ・ニッポンのお正月といった感じで、おせち料理やお雑煮を食べました。コロッケじゃありませんが、私のために牛肉が用意されていて、うれしかったですね。そうそう、この季節はテーブルの上に、絶えずリンゴがおいてある感じで、お口がさみしい時はリンゴをつついていました。

菅原家の正月メニュー

山澤:

やはり!最近、知ったんですが、岩手はリンゴの消費量が日本でもトップクラスみたいなんです。

 

菅原:

へ~、知らなかった。生産量No.1の青森は有名だけど、岩手は買うのが多いのかぁ。山澤さんは、東京出身だけど、どんなものを食べたの?

山澤:

私はご覧のように、オーソドックスなおせちを食べました。大内さんのお雑煮の写真を見て、つゆの色が違うなぁと思いました。もしかしたら、東北の方が、少し濃い味付けなんですかね?食べ比べてみたいです。

あと、パイナップルきんとんを食べました。これは祖母から受け継いで毎年つくっているメニューなんです。

山澤家の正月メニュー(右の写真はパイナップルきんとき)

武田:

パイナップルきんとん!?初めて聞いた!どんな味なのか食べてみたい!

ミッチー:

玉田氏は青森出身だけど、何を食べたわん?

玉田:

私は、「いがめんち」(弘前の郷土料理)を食べました。妻が弘前出身でタネから手作りしてくれておいしかったです。青森は年越しになまこを食べるんですが、私は苦手なのでパスしましたが…。あと、姪っ子が手伝ってつくってくれた揚げ物もたくさん食べましたね。

弘前の郷土料理「いがめんち」

ミッチー:

なるほど、なるほど。帰省すると、その土地の物を食べるのはもちろんのことだけど、家族に食べて欲しいものや、その家ならではのメニューが食卓に並ぶのか~。

土地×家族。家の数だけ、いろんな“帰省メシ”が存在するのは面白いわん!それに、帰省や家族の集いが普段食べない郷土料理を食べる機会をつくっているのはとても大事なことだと思ったわん。消えつつある食文化を守るのは、料理人や研究家ではなく、自分たちなのかもしれないね。

大内:

せっかくなので、今回教えてもらった他県のメニューを帰省の際に食べてみたいです!それと、“いかにんじんのいかめんち”とか、他のエリアの郷土料理をコラボレーションさせてみるのも面白いかも、と思いました。いかにんじんは、某ポテトチップスのフレーバーになったこともあるので、メーカーとのコラボレーションも推進できるといいですよね。

武田:

郷土料理をいかにトランスフォーメーションできるか。それ次第で、地域の価値が変わる可能性ありそうだね。岩手では、独居高齢者の栄養管理に「ひっつみ」という郷土料理を提供したり、青森では八戸の「せんべい汁」が幼稚園児の野菜嫌い克服のために取り入れている事例があったり。イタリアでは古代ローマ時代を再現した「タラコ・ヴィヴァTarraco Viva」というお祭りで当時の料理を振る舞うことが、郷土料理を継承することはもちろん、地域のにぎわい創出にひと役かっていると聞いたこともあります。なので、郷土料理は、課題解決や地域を活性化するツールとしてのポテンシャルがあるんだと思います。

ミッチー:

たしかに、郷土料理を守るだけじゃなくて、進化させていけたら東北の新しい魅力になるかもしれないわん!今日はみんな、いろいろ教えてくれてありがとう。

今回の「ここ掘れわんわん」(まとめ)

地域の課題をおいしく解決!

KX(郷土料理トランスフォーメーション)で未来がひらく。

郷土料理同士をかけ合わせて、新しいメニューを開発したり、郷土料理と何かをコラボレーションさせることで新しい価値を創造したり。郷土料理を進化させることで、イノベーションを起こしたり、地域の課題を解決するソリューションが生まれそうだわん!